vol.78:ブシュブシュ

神様、私はどっかおかしいのでしょうか?


増えすぎた暗室の荷物を整理しようと東急ハンズに棚を買いに行ったのに、戻ってきた手にはなぜか大型のエアーコンプレッサーが握られていました。せまい暗室はますます居場所がなくなりつつあります。


それもこれもCP51のせいだということははっきりしています。いまだ200ボルトは引けていません。ただの場所ふさぎになっています。




エアーコンプレッサーというのは、美術系の人なら知っているかと思うけれど、エアーブラシなどを使うための圧縮空気噴出装置。写真に何の用があるかと言えば、ただネガフィルムやカメラに付いたホコリを飛ばすだけ。


シュポシュポと頼りない空気を送り出す「ブロワー」と言うものがあるが、あれは運動量に対して甚だ成果が少ない。ようするにホコリが飛んでいかない。ガスを充填したボンベタイプが今の主流だが、ちょっとしたことで中のガスが液体のまま噴出してネガに多大なダメージを与える。デジカメのCCDに吹きかけたらそれだけでパーになるだろう。フロンガスが廃止になってからこの傾向が顕著だ。


堀内カラー製のボンベは高価だが(1本二千円もする)逆さにしてもガスが液体で出てこなくて重宝していた。ところが今年になって突如発売中止となってしまい、代替品として用品メーカー製のボンベが売られていたが、これもガスが液体で出てくるあまり上等な代物ではなかった。


プロラボやプリントを仕事にする人たちがエアーコンプレッサーを使っているのは知っていた。値段も買える程度だと言うことも知っている。でもこの一線を越えてしまっていいのだろうか?便利だからと言ってなんでも揃えてしまうのはいかがなものか?


とうとう超えてしまいました。三万円でした。エアーコンプレッサーは空気を圧縮して噴出すのでいくら使ってもタダ。暗室に備え付けるなりあちこちブシュブシュしています。

(2002/11/02)


手前が問題のCP51、奥にCP31が見える。上に鎮座しているのがエアーコンプレッサー。右手に引き伸ばし機があり、その手前が流しになっている。左奥が機材置き場でもう足の踏み場がない。12畳程の広さがあるはずなのにこの始末。打ち合わせに来る編集者は、座るところを探すのに苦労する。よく見るとドライマウントプレス機もある。これを持っている人は極めて少ないはず。希少さが分かる人は驚いてください。この他にも写真集の在庫と、額と、これまでの作品のストックと、ネガと、バックペーパーまで置いてあります。せまいながらも楽しい… と言うわけにはもういきません。